思わぬ休みをむしろ楽しもう

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執筆者

沖 哲弥

立川国際中等教育学校専門担当

時間をかけて取り組んでみることで、新たな学びを発見

E-styleの沖です。

8歳のころにリンゴの皮むきができるようになりました。時節柄事由は伏せますが、3週間ほど静養しなくてはいけない母の代わりに料理などの家事を手伝うことになり、包丁を使うことを覚えざるをえなくなったのです。ねぎを切るだのニンジンをいちょう切りにするなどは、言われたとおりにすればできるのですが(とはいえ、左手を猫の手にするのをすぐに忘れるので危なっかしい切り方です)、リンゴの曲面は難しい。リンゴを持つ手の角度、包丁のいつもとちがう持ち方、刃を当てる角度、右の親指を当てる場所、力の入れ具合、少しずつリンゴを回して切るなど、いろいろと教わるのですが、初めはおっかなびっくりです。そう簡単にうまくはできません。やっと、なんとか皮を途切れさせずにリンゴをむけるようになったのは、とっくに母が全快した後でした。嬉しくて、できたできたと包丁を手に持ったまま振り向いて怒られたような記憶があります。当時の身長では、つま先立ちして腕を上に伸ばしても、手からぶら下がった長い皮の先は床から浮きませんでした。ちなみに今は、リンゴの皮のすぐ下に栄養がたくさん含まれるというので、むかずに皮ごと食べています。

料理に限らず、ふだんは忙しくてじっくり取り組めていないことや、子どもと一緒にしたかったことにチャレンジする良い機会です。ひたすら動画の作成に夢中になってみる。庭でお父さんとテント生活をしてみる。積読(つんどく)状態だった本を読破する。お風呂を完璧にきれいに掃除する方法を見つける。難しくて諦めていた楽曲を弾けるようにする。体幹トレーニングにじっくり取り組む。いろいろとありそうです。

せっかく生まれた長期間の休みです。机上の勉強だけでなく、実際に時間をかけて取り組んでみることで新たな学びを発見できることを願っています。

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