#授業紹介

E-styleのzoom授業

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執筆者

山敷 淳史

巣鴨校校長・小石川中等教育学校専門担当

E-styleのオンライン版「双方向授業」を紹介

巣鴨校小学部主任の山敷です。

4月からはじまったオンライン授業ですが、正直なところやはり最初は抵抗感がありました。今までにやったことのない試みだからです。

生徒の顔が見えない状況で、「思考力・判断力・表現力」を伸ばすことが本当にできるのだろうかと不安もありました。

ただ必要に迫られて取り組むうちに、その良さも見えてきて、授業を楽しむこともできるようになっています。

なんでもそうですが、始めてみることは大事ですね。

 

もともとE-styleは「双方向授業」を授業の軸として考えていました。

それは担当が一方的に知識を教え込むのではなく、生徒の自然な好奇心や豊かな発想力を土台として自由に議論をかわす授業です。

今回はその「双方向授業」をオンラインでどのように展開しているかをご紹介します。

 

まず生徒にはテキストの問題を解説する授業動画を見てもらいます。そのなかでいくつか「課題」を出しています。

たとえば今週の小5の授業では、「A.I.と比べてわかる人間の人間らしさとは?」と「自立とは何か?」いう課題です。動画を見た生徒たちはzoomの時間までに、それぞれ課題に取り組んでくれます。色々自分なりに考えたり、何かを使って調べたり。zoomの授業ではその課題に対するみんなの意見を片っ端から聞いていきます。

その間「先生」である私は、生徒の意見をただ聞いて、画面共有しているwordに打ち込んでいくだけです。生徒たちは自分の意見を言ったあとも他の子の意見を聞き、刺激を受けて、また新たな考えを持ちます。だいたい20分かけてひたすら意見を聞き取るのですが、その20分のうちにいくつも視点が生まれ、発想が広がります。そしてこれだけたくさんの意見を聞いていると、最初はつながりが見えなかった「人間らしさ」と「自立」との間の関係性が見えてきます。

たとえば、「気遣いができるのが人間らしさだ」という意見を述べた生徒は、「自立するためには他人の気持ちを考えて、その気持ちにあった行動をしなければいけない」という意見を聞いたとき、「そうかー」と声をあげてくれます。

繰り返しますが、「先生」である私は、そのあいだずっと「へえ」「なるほどね」「たしかに」と相槌をうっているだけです。

結論は生徒たちが自分で作ってくれました。「みんなで勉強する」ってこういうことなのかもしれないと思わされた時間です。先生という立場でも、まだまだ勉強することはたくさんあるなと実感しました。

もちろん「対面型」の授業と比べたとき、「オンライン」に不満を感じることもまだあります。ただ何事も、プラスの面に目を向けて考えていきたいと思います。これは可能性に満ちた世界です。

<zoom授業中の画面です。生徒はチャットで意見を言うこともあるので、いろいろなウィンドウが開いています。>

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