受検を乗り切るために必要な、自己肯定感

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執筆者

土屋 崇

地域責任者・上野校校長・大井町校校長・桜修館中等教育学校専門担当

受検を乗り切るために必要な、自己肯定感

大井町校校長・桜修館中等教育学校専門担当の土屋です。

 

自己肯定感という言葉を近年、本当によく聞くようになりました。

成績が上がる子にはある共通点があります。

それがまさに、「自己肯定感が高い」子です。

 

ところが、受検が近づくにつれて徐々に不安になってくるのか、子どもたちは単に自信がないというよりも、現在の自分自身を肯定できないという状況に陥るようです。

塾でのある日、ある生徒から「やれるだけ頑張る。でも合格は難しいかも……」という言葉が出てきて、ハッとしました。

そういった子たちの話を聞いてみると、自己肯定感が低下している子は共通して、この類の「できないかも」「だめかも」などのネガティブな言葉を使うのです。

 

そこで考えたのは、子どもたちは日々の結果や行動によって、自己肯定感が潰されているのではないかという仮説です。

結果とは、授業の理解度や試験の点数です。

行動は、日々の学習計画です。

 

それならば、まずはこの結果と行動をもう一度見直し、対策すれば自己肯定感は変わるはずと考え、子どもへのアドバイスを肯定的で前向きな表現に変えました。

すると、成績が上がる子どもたちから発せられる言葉の種類が変わっていました。

自己を否定する言葉から肯定する言葉に。

 

なかには成績が上がっているにもかかわらず、自己肯定感がなかなか上がらないケースもあります。実は、その原因は家庭内に起因することもあるのです。

「お前では無理」など、明らかに子どもを否定する言葉はさすがに多くの親御さんは使わないと思いますが、自己肯定感を下げる言葉を無意識にかけてしまうことはないでしょうか。

たとえば、「何回言ったらわかるの?」「早くして!」など……。

これらの言葉は子どもの自己肯定感を少しずつ下げていきます。

こんなときはぜひ、「もう1回教えるから一緒にやってみよう」「間に合うようにやり方を一緒に見直してみよう」と声がけしてみてください。

子どもの自己肯定感を引き上げることよりも、まずは下げないということに焦点をあててみるわけです。

もちろん、否定的な言葉を使って気づかせたいときもあると思います。

その場合も、継続的に使わないということが大事です。

 

入試まで、あと129日。

私たち教師も入試までの残りの日々、このバランスを大切にしながら、肯定表現を使って生徒指導を行ってまいります。

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