模試の3つの効果的な使い方
2月3日の適性検査本番では、朝早起きをして、受検票を握りしめて、普段通っている学校や塾とは違う場所に行き、知らない人たちに囲まれて、緊張感のある雰囲気の中、時間を気にしながら、自分の実力をすべて発揮する、ということが求められます。そうなると、これはもう事前に練習しておきたいですよね。
そこで「模擬試験」、通称「模試」の出番です。
しかしながら模試は、ただ受けるだけでは意味がありません。
そもそも模試を受ける目的にはどんなものがあるのでしょうか。
1.志望校合格に向けて、今の自分の実力を客観的に見る
2.試験の形式や会場の雰囲気に慣れる
3.自分ができていない分野・単元を見つけて、復習をする
の3つが挙げられます。
この3つの目的をしっかりと認識し、「活用」してこそ模試を受ける意味があるというものです。
どのように活用してほしいのか、順番に見ていきましょう。
1.志望校合格に向けて、今の自分の実力を客観的に見る
いわゆる「偏差値」や「志望者内の順位」や「合格可能性判定」から、今の自分の客観的な実力を認識することができます。分析の結果が「もっと頑張る必要がある」のだとすれば、「勉強時間を増やす」のか、「スピードを上げる」のか、「やり方を変える」のか、「何かを我慢する」のか、具体的な改善行動につなげます。
2.試験の形式や会場の雰囲気に慣れる
公立中高一貫校受検における模試は、「適性検査」の出題形式に合わせて作られています。そこで、事前に立てた「自分だけの作戦」が通用するのかどうかを試すことができます。試験が始まったら冷静に全体に目を通して、どんな順番で、どれくらい時間をかけて取り組むかを決めるのです。これは事前に決めたとおりかもしれませんし、その場でアレンジを加えてもかまいません。そして、残り時間を意識しながら、作戦どおりに問題を解き進めるのです。
また、遅刻や忘れ物はないか、緊張はどれくらいしたかなど、模試は準備や行き来も含めて練習です。「自分で管理する」ことを学ぶにも最適ですね。毎回振り返りをして「次の模試ではこうしよう」と作戦を更新するようにします。
多少の失敗は、「本番の前に失敗できてよかった」と次につなげられるのが模試のいいところです。慣れていけば、なくなる失敗もたくさんあります。練習あるのみです。
3.自分ができていない分野・単元を見つけて、復習をする
これが一番大事です。模試を受けっぱなしにしてしまうと、効果が半減してしまいます。受検生なら聞いたことがあると思います。多くの先生が言っているとおり、模試は「解けなかった問題を復習するためにある」のです。
まず、問題を解く段階で、「解き直しをすること」を前提に、問題用紙に考えた痕跡を残すようにします。時間との兼ね合いになりますが、あとでどんなことを書いたか振り返ることができるように、メモを残す意識と時間があれば最高です。
そして、模試会場から家に帰ってきたら、すぐに自己採点と解き直しをします。緊張感をもって受けた直後ですから、ここで解き直しをすると知識や技術が定着する可能性がぐんと上がります。翌日ではなく、当日直しをするのがポイントです。疲れているかもしれませんが、ここで気力を振り絞ることができるかどうかが合否の分かれ目と思って頑張りましょう。
最後に、結果帳票が返ってきたあとは、問題の正解率を見ながら、どの問題を取れていれば合格ラインに乗るのか、外してはいけない問題はどれだったのか、逆に捨てなければいけない問題はどれだったのか、というところまで分析できると良いですね。
模試をたくさん受けまくって、でも直しはしないというのは、意味がないので控えたほうがいいです。直しをきちんとやり終わってから次の模試に申し込むくらいの気持ちでいてください。
そのためにも「模試保管ファイル」と『模試直しノート』を用意しておきます。模試直しをするときは、すべての模試とすべての教科をその1冊にまとめます。直しをした日付も書いておきます。合格に向けての大きな財産になりますよ。
そんなわけで、「模擬試験の使い方」のお話でした。
どの模試を受けたらよいかは、各校舎の先生と相談してください。
6月になると、今年もいよいよ、模試のシーズンが始まります。
ぜひ今回の話を参考に、模試を有効活用して合格を勝ち取りましょう!
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