あと「100日しかない」?「100日もある」?

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執筆者

稲垣 佑介

白鷗高校附属中学校専門担当

東京都内の公立中高一貫校の適性検査が行われる2月3日まで、10月26日で「あと100日」となりました。
保護者の方々も、お子さまを指導する我々も、心のどこかに「焦り」が生まれる時期です。でもお子さまの様子を見ていると、そんなに焦る様子もなく。つい「もう受検直前なんだよ!」と強く言ってしまいそうになるものです。

 

小学6年生にとっての「100日」と、大人にとっての「100日」。時間の長短の感じ方には大きな差があります。そのことを心理学的に説明したのが、19世紀のフランスの哲学者ジャネが主張した「ジャネの法則」です。この法則は、端的に言えば「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例する」というものです。

例えば、40歳の人間にとっての「100日」は、人生の約0.7%にすぎません。
しかし、12歳の人間にとっての「100日」は、人生の約2.3%にあたります。
このことから考えると、12歳の人間にとっての100日は、40歳の人間の約330日分に相当する、というわけです。これはあくまで心理的な感覚に過ぎず、受検までに実際に残された時間はまぎれもなく「100日」なのですが。12歳のお子さまにとっての2月3日は「それほど遠くないけれど、ちょっと先」のことだという感覚なのだろう、ということが考えやすくなります。相手がそういった感覚なのであれば、変に焦らせるのではなく、まだまだできる対策がある、ということを落ち着いて伝えやすくなります。

 

他者の立場に立って物事を考える。
お子さまにとっては、目の前の適性検査において、そして今後の社会で活躍できる人間になるためにも、欠かせないことです。
E-styleの教師陣も、お子さまにこの視点を身につけさせていくうえで、まずは大人がそれをできるように…ということを意識しています。

 

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