過去問をうまく活用する3つのコツ
受検生の方々は、過去問の対策に余念がない時期だと思いますが、都立中高一貫校に出題される適性検査には、明確な「傾向」がないことはご存じでしょうか。
私立中受験の場合は、数年ごとに変化はあったとしても、出題される問題には基本的に「傾向」があります。ですから、過去に出題された問題を演習すれば自分の「弱点」が分かります。また、学校のホームページなどに「合格最低点」が公表されている場合も多いですから、数年間演習した「得点結果」と、その「合格最低点」とを比較すれば、合格の可能性も判断できますし、自分の得点が上がっていき合格最低点との差が縮まれば、「もう少しで合格ラインに届く」という期待感が勉強のモチベーションを引き上げてくれることもしばしばです。
しかし、都区立一貫校の適性検査の場合は傾向がほとんどありませんので、「今回は過去最高点だ」と喜んだのもつかの間、次の演習では「過去最低点」などということも起こり得ます。これが、適性検査対策の最も難しいポイントです。そこで、今回は過去問の「活用法と注意点」に関してお話ししたいと思います。
1.『反復演習はほとんど意味がない』
どんな入試の過去問でも、反復演習して慣れる、解けるようにする学習法を採ると思います。それは、出題される問題に「傾向」があるからです。しかし、適性検査には傾向がありませんから、反復演習することで得られる学習効果はほとんど見込めません。「出題された」問題が解けるようになるだけで、「出題される」問題が解けるような力がついたとは言えない場合が多いでしょう。
2.『答案分析が最も大切な対策』
反復演習が無意味なら、どんな対策を施せばよいのでしょうか。それは「答案分析」であると、私たちは思っています。この学習法は、私たちE-styleの最も大切な「合格メソッド」と言っても過言ではありませんので、大まかなポイントだけお話しいたします。
《答案を再現する》
・どんな順番で、どれくらいの時間をかけて答案を作ったのかを再現する
・すべての問題に関して、どう考えたのかを、再度演習しながら再現する
《分析する》
・自分の採った「手法」、つまり、順番・時間・考え方が正しかったのかを確認する
・どんな原因で、どんなミスをしたか、時間があれば解けたのかを判断し、「伸びしろ」を自覚する
《対策を考える》
・「解く順番」「かける時間」に関して、自分が最も解きやすく、得点率が上がる方法を考える
・次に解くときに、どんなことに注意をすれば、どんな工夫をすればミスが減るかを考える
・自分が間違えた問題に似た問題がないか、他県の適性検査の過去問から探して解いてみる
3.『自分の考えた手法や対策が効果的なのかを確かめる』
時間をかけて行った「分析」や一所懸命に考えた「対策」でも、効果がないものであっては得点率や正解率は上がりません。E-styleでは、受検生が自身で行った「分析」をもとに、一人ひとりと相談する時間を設けています。褒められることもあれば、違う方法をアドバイスされることもありますが、いずれにしても「根拠のある自信」として蓄積されているはずです。
都立一貫中に出題される適性検査は、一筋縄の対策では通用しないほど平均点が非常に低いテストです。したがって、対策法を誤ってしまうと、新しい過去問を解いても「結果論の答案」が積み重なるだけになってしまう恐れがあります。今回のお話が少しでも参考になれば受検生の担当教師として幸いに思います。
これまでお話しして参りました方法は、少人数定員制でお子様をお預かりしているE-styleだからできるものだと自負しております。現在、E-style各校で開催しております「新年度開講説明会」では、この他の「独自メソッド」についてもご説明しておりますので、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。
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