今年の都立中入試について

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執筆者

石原 裕一郎

公立中高一貫校受検指導統括責任者

都立共同作成の出題のようすをお伝えします

E-styleの石原です。
2/3に今年の東京都内公立中高一貫校の入試が行われました。今年は7,393名の受検生が都内11校の適性検査に挑んでいます。
本年度はどんな問題が出題されたのか、都立共同作成の出題のようすをお伝えします。

 

適性検査Ⅰについて

適性検査Ⅰは、筆者の異なる2種類の随筆を読み、読解問題2題と400~440字の作文問題1題に取り組むという構成でした。
出題数や作文の文字数は例年通りで、読解問題での問われ方も大きな変化はありませんでした。一方で、作文問題は2018年度から4年連続で指定されていた「各段落の内容指定」が姿を消しました(なお、今年度は第1段落の内容指定もありませんでしたが、この形になるのは共同作成初年度以来、実に7年ぶりです)。
とはいえ、作文のテーマは今後六年間の抱負を述べるという書きやすいものだったため、練習してきた作文を参考に段落構成を考えることさえできれば、取り組みやすい検査と言えそうです。

 

適性検査Ⅱについて

適性検査Ⅱは、昨年同様に大問3題・小問6題という構成でした。基本的に、見開きで問題が完結するという昨年の形式が今年も踏襲され、取り組む側にとっても条件逃しが発生しにくい検査だったと言えそうです。
とはいえ、各小問にちりばめられている条件は複雑なものも多く、一工夫してから分析する資料があるなど、「何をしてほしいかはわかるけれど答えがなかなか出ない」と感じた受検生は多かったようです。
特に算数は面倒な作業が多いため、問題を飛ばす決断ができないと比較的取り組みやすい理科・社会が終わらない、というパターンに陥りやすい構成でもありました。都立共同作成の場合、大問ごとの構成は決まっているので、専用の対策に取り組み、状況に応じた作戦を立てておきたいところです。

総じて、今年の共同作成は昨年とほぼ同様の構成および難易度だったと言えます。
このブログでは共同作成の内容のみお伝えしましたが、今月下旬に各校で行われる「E-style都立中入試報告会」では、学校別の独自問題も含めた分析および対策を紹介する予定です。同じ問題であっても、独自問題との兼ね合いでとるべき問題や費やす時間が変わり、それに応じて難易度にも変化が生じます。2023年度以降の受検をお考えの際は、ぜひご参考ください。

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