責任を持つことはつらいことなの?

教師の写真

執筆者

荒海 理恵

公立中高一貫校受検記述指導主任

ファーストチャンスで手が挙げられる大人を育てる。
意見を出すことは責任をもつこと。それがリーダーとしての資質である。

 

先日行われた都立日比谷高校の説明会で、このような言葉がありました。

 

「責任」というのは重い言葉です。
ただその中身は、年齢によって異なるのかもしれません。
一般的に私たち大人が考える「責任」と、小学生の考える「責任」とはずいぶんちがうはずです。
でも、その重みは同じなのかもしれません。

 

個人的な話になりますが、私は小学生のころ、学校の代表として市の水泳大会に出場したことがあります。
種目は、平泳ぎでした。
専門的に誰かから泳ぎを教わったわけではなく、まわりの子の泳ぎを真似していただけでしたが、タイムをはかったらけっこう速かったからです。

 

タイムが速かったのはうれしかったのですが、代表に選ばれた瞬間一気に緊張しました。
それは小学生なりに、「責任」を感じたからだと思います。「学校代表」という言葉は、小学生にとっては重い言葉でした。

 

ただ、その水泳大会のことは、今でもよく覚えています。
いまの自分の「責任」のもっとも核にある体験だからだと思います。

 

塾に通う生徒の多くが、思春期に入ると意見を言いたがらなくなります。
意見を出すことは責任をもつことだと、すでにわかっているからかもしれません。
でも、低学年の子たちは、基本的には意見を言いたがります。
責任をもつことは、決してつらいことではないとわかっているからかもしれません。
時に、精いっぱい考えた自分の一言が、クラスメイトを感心させたり、驚かせたりするのは、表現することへの自信や楽しさにもつながるのでしょう。

 

多くの意見を聞き取って、ファーストチャンスで手を挙げられる生徒を育てられればと思います。

カテゴリー

新着記事

アーカイブ