令和7年度 都立中適性検査 適性検査Ⅰの問題分析

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執筆者

渡邊惇帆

南多摩中等教育学校専門担当

2月に塾で新学年となった皆さんは、この4月で学校でも新学年となり、新たな生活のスタートです。早いもので、今年の4分の1が終わってしましました。6年生はあと42週をすぎると受検を迎えることになります。1日1日を大切に、日々を過ごしていきましょう。

 

さて、2025年度の適性検査Ⅰ(共同作成問題)についてお話をさせていただきたいと思います。

今年度も、2つの文章を読んだうえで設問に答える形式でした。

1つ目の文章は、小島渉さんの『カブトムシの謎をとく』という説明文。2つ目の文章は、恩田陸さんの『spring』という小説でした。

『カブトムシの謎をとく』では、カブトムシの生態について興味関心を持った小学生が、カブトムシの専門家である山口大学准教授で筆者の小島先生のアドバイスのもと、プロ顔負けの調査を行い、一般的に夜行性であるとされるカブトムシが昼間も活動していることを発見したというくだりが書かれています。

『spring』は、共同作成問題ではあまり扱われてこない小説文でした。世界的なバレエダンサーの幼少期の姿を、特にバレエと出会うきっかけになった場面中心に、叔母の視点で、ダンサー自身の振り返りを踏まえて描写しています。ジャンプして空中で一回転し、着地するという体験をした際に覚えた高揚感を再び味わいたいがために何度もやってみるが、なかなかうまくいかない葛藤のなかで、ダンサーのセンスを認められるという内容です。

ここから、幼いながらも自分の納得いくまで、ものごとへのひた向きな努力と根性がうかがい知れます。

2つの文章をからめると、自らの興味・関心があることに対して一心不乱にとことんまで向き合うことの大切さを読み取ることができます。

これは近年の適性検査に出題される出題テーマとして定番パターンのひとつです。

これから先、未来を背負って立つ子どもたちに向けての出題者側からの強いメッセ―ジが感じられます。そういう人材が求められているのかもしれません。

E-styleで扱っている国語の教材にも、このテーマの文章は何度も登場します。私もふだん授業をしていて、子どもたちに「ほら、来た! メッセージ系文章! 読んでてちゃんと気づけた!?」と言うことがちょくちょくあります。

その内容を踏まえたうえで、作文を書くことになります。日頃から自分がどうしたいのか、何を望むのかという自分の主張がしっかりと表現できるように訓練を積まなければなりません。そういったこともふだんの授業や課題を通じて鍛えています。

その他、各学校の特徴的な独自問題に対してもそれぞれの教室で対策を立てています。細かい内容につきましては、各教室で講演会を行っております。ぜひ足を運んでいただき、各担当よりリアルで意外な内容をお聴きいただければと思います。

 

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