言い換える力と手を動かす力

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執筆者

遠藤 幸治

大井町校校長・最難関都立高校対策数学科教務主任

都立自校作成校入試分析 ~数学~

数学科主任の遠藤です。3月2日に合格発表がありましたね。ネットを中心に難化予想や易化予想といった様々な情報が出回りましたが、結果はでました。予想がどうだったのか、こればかりはこのあとの得点開示をもとにしてお伝えできればと思います。今回は、前回の国語に続き、数学について今年度の自校作成入試問題分析をお伝えいたします。2つお伝えしたいことがあります。

ポイント① 図形分野から学ぶ「言い換える力」

1つ目は図形分野から学ぶ「言い換える力」です。ご存じの通り、今年度は三平方の定理と標本調査が出題範囲から除外されました。その影響を最も感じたのは平面図形分野、特に「作図」です。作図では例年よりも中1や中2の知識があれば解けるものが増えました。学校によっては、図形の対称性を問うような問題も出題されました。私は、作図の問題を通して数学としての「換言力」を強化できると感じています。キーワードから作図するべき図形の候補を絞り、最終的に特定する。解法が1つではないので、どのように言い換えられるか、受験生の力が問われます。E-styleの授業でも、問題によっては4通りほどの解法がでてきます。この作図で、新たな切り口となる問題がでたことは今後の数学の学習に影響がでてくると予想しています。

ポイント② 数の性質から学ぶ「手を動かす力」

2つ目は数の性質から学ぶ「手を動かす力」です。今年度は、資料の活用分野からの出題が増えており、大問4においては数の性質に関する出題が増えました。条件から法則を見つけるには、条件を多く書き出し、法則があるかを試してみる、まさに手を動かす力が必要です。実は、難しく考えるよりも手を動かして書き出したほうが速く求められる問題も出題されます。解法のテクニックを学ぶことも必要ですが、このような「なぜ」を解決するための地道な作業のほうが大切だと私は感じます。E-styleの数学科の授業はここがテーマです。次回は、英語の問題についてお伝えいたします。

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