小3指導はここがおもしろい

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執筆者

荒海 理恵

公立中高一貫校受検記述指導主任

低学年の記述指導主任、荒海です。

先日E-styleでは、小学4年生と5年生を対象とした塾内模試が行われました。テストは都立中入試問題を模して「適性検査Ⅰ」と「適性検査Ⅱ」に分かれており、「適性検査Ⅰ」は作文をメインとした問題です。

3年生のときに教えていた子がたくさんいるので、答案作文をついつい読みふけってしまいます。特に5年生は難しいテーマ(動物と触れ合うことで、ペットを飼うときにうまれる責任について学んだ体験)を課されていたのですが、ずいぶんと大人っぽい意見が多く、驚かされました。

小学生の成長速度は速いです。3年生のときに書いた作文とならべてみると、その違いは目覚ましいものがあります。思わず肩をたたいてほめてあげたくなります。ただし、なかなか満点がとれないのが作文のテスト。書いている本人たちはなかなか成長の実感を得にくいらしく、「作文は苦手だ」となげきながら、自習室で四苦八苦している様子もよく見かけます。大変そうですが、合格のためにはがんばるしかありません。それは乗り越えるべき壁です。

小学3年生の授業でも作文を書いてもらっています。彼らは作文が大好きです。「今日は作文だよ」と伝えると、とびあがって喜びます。一般的には作文嫌いの小学生は多いと思います。でもE-styleの小学3年生はそうではありません。書くのが好きですし、読んでもらうのも好きです。

彼らの作文には大きく2つの特徴があります。
1つ目は、「読点が多い」こと。
実際に書いているところを見るとわかりますが、小学3年生にとって原稿用紙はとても大きな紙です。そこに一文字一文字ゆっくりと書いていると、どうしても時間がかかってしまい、ついつい読点が増えてしまうのだと思います。食事を取る速度と一緒ですね。小さいと、休憩が多くなる。ひとつひとつの単語をていねいに選んでいるのが見てとれて、ほほえましいです。

2つ目は、「家族の話が多い」こと。
作文のなかに友達の話が出てくることは少なく、ほとんどが家族の話です。特におうちの人にほめられた体験は、心の底から喜んでいることが伝わってきます。もちろん文章としてはまだまだつたないです。それでも何を書きたいのかはよく伝わります。それは、自分が強く思ったことを、そのまま相手に伝えようとしているからです。

大人になっていくにしたがって、家族以外に目が向き、だんだんと素直に自分の内面をさらけだせなくなっていきます。家族に対する思いが全面に出ている作文が書けるのは、3年生の今だけなのかもしれないなと思いながら、日々彼らの作文を読んでいます。

E-styleでは、2023年2月から小学3年生(現小学2年生)クラスが開講します。11月12日からは体験会もスタートします。3年生を何年受け持っていても、新しい驚きや発見があることに毎年わくわくします。今年もたくさんの出会いを楽しみに待ちたいと思います。

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