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執筆者

林川 敬

吉祥寺校校長・武蔵高校附属中学校専門担当

都立一貫受検を目的に塾を選ぶときには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。

その鍵は「都立一貫入試と適性検査問題の特殊性」にあると、私たちは考えています。都立一貫校はご存じの通り歴史も浅く、さらに都立一貫校や東京都のホームページなどで得られる入試情報が少ないため、「誤解」や「盲点」が非常に多い入試だと言われています。情報がないために有効な対策をせず合格できないという場合や、誤った対策をしていたため実力が発揮できずに結果が残せない、そんな受検生が多くいらっしゃるのではないかと推察しています。

 

ですから、まずは「正しい情報をどれくらい持っている塾なのか」を探ってみることをお勧めします。募集要項や学校のホームページなどに掲載されているものではない情報、根拠・裏付けのある情報をどれだけ持っているか、これを聞いてみると良いでしょう。たとえば、「都立一貫中ごとの合格ライン(得点)」や、「小学校の成績がどれくらい影響するか」「どうやったら通知表成績が挙げられるか」などがその一例です。

 

次に探るべきは、「適性検査対策」としてどんな学習をさせる塾なのかということです。都立一貫中の適性検査は常に「初見」の状態で解く、つまり「似た問題」に出くわすことは稀ですので特殊な対策をしていないと、「自己流」で、「何となく」解いてしまいがちです。そのため、正解しても間違えても「次に活かしにくい」問題であると言えるのです。

そんな適性検査の問題にどう対処していくのか。「学校の内容を先取りする、深める」、「何度も解いて慣れる」などという単純な学習法では、適性検査での得点力が身につかないのは至極当然です。また、都立一貫中の適性検査問題では「知識」が会話文やリード文などで示されるうえ、公式に当てはめれば解ける問題は少ないですから、私立中対策学習とは「別物」であるという点も気をつけなければいけません。作文力や記述力を養成するためにどんな指導をしているのか、これも学習塾によって大きく分かれるところです。

 

最後に、最も気になる「合格実績」ですが、カギになるのは「合格数」ではなく「合格率」です。都立一貫入試の合格率は、その倍率から計算すると約20%ですので、それよりも高いのか、また、高い場合には「なぜ高い合格率で合格したのか」この答えこそが塾選びの肝になるはずです。合格数が多くて合格率が低い場合、合格者の陰にものすごい数の不合格者がいるのです。

 

このように、都立一貫入試は非常に特殊です。ですから、入試の捉え方だけでなく指導法に関しても、塾によって様々でしょう。

E-styleでは、「正しい情報をご提供して、正しく受検に取り組み、最短距離で合格へ突き進む」ことができるように、ほぼ毎月『講演会』を実施しております。個別のご相談やご質問も随時受け付けておりますので、ぜひご利用ください。塾選びにお役に立てれば幸いです。

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