入試直前期にやってはいけない1つのこと

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執筆者

沖 哲弥

立川国際中等教育学校専門担当

入試が迫ってくるにつれて、心が浮ついたり勉強以外のことに時間を使ったりする受検生が見られます。もちろん良くない状態です。
これをなんとか良い状態に持っていきたい。どうすればいいのでしょうか。
それは、ひとつのことに集中できる自分を作る。これに限ります。
スマホで動画を見ながら昼食を食べる。スマホを見ながら道を歩く。よく見られる光景ですが、どちらもひとつのことに集中できていません。
ご飯を食べるなら食べることに集中する。道を歩くときは歩くことに専念する。
他ごとをしながら食べているときと食べることに集中しているときとでは、同じものを食べても味わいが違います。下手をすれば何を食べたのかすら覚えていません。
気もそぞろという状態です。

受検生で言えば、「ながら勉強」です。
音楽を聴きながら勉強する。テレビを流しながら勉強する。ペン回しをしながら勉強する。スマホをポケットに入れたまま勉強する。スマホを勉強机に置いたまま勉強する。これらすべて良くないとされていますが、なぜなのでしょうか。
ひとつのことに集中できていないからです。

やってはいけないこととは、ふたつのことを同時に行うことです。

子どもは本来ひとつのことに集中するのは得意です。というより、ひとつのことにしか集中できません。
ですから、受検直前期に周りの大人が子どもにしてやれることは、受検勉強に集中できない環境を排除することです。

以下のようなことが当たり前になっていないでしょうか。
子どもが勉強している隣の部屋で家族がテレビを見て大笑いしている。受検校への交通手段を子どもに調べさせるなど気が散ることをさせている。パフォーマンスの上がらない食事ばかりを食べさせている。早寝早起きをさせたいのに同じ部屋で寝る上の子が深夜まで消灯しない。睡眠時間を削って勉強している。

風呂掃除が子どものお手伝い担当なのであれば、掃除することだけに集中するのが大事です。音楽を聴くのであれば、聴くことだけに集中する。今でもスイミングやバレエを続けているのであれば、そのときは体を動かすことだけに集中する。
勉強するときは勉強に集中する。これが大事です。

 

もうひとつ集中に関して大事なことがあります。

バーバラ・サハキアン教授によると、私たちは、会話、食事、通勤通学といったことだけでも、1日で平均2万回以上も判断しているそうです。しかも、判断しているうちに疲れてきて「決断疲れ」を起こすそうです。
この判断疲れを受検生にさせてはいけません。特に受検前日からはさせてはいけません。そのためには、前日夜や当日朝に判断することを減らすのが大事です。晩ごはんや朝ごはんが何かは決まっている。何時に起きるのかずっと前から決めている。受検会場に何を持っていくのかは前から決めてある。その持ち物をどのバッグに入れて行くのか決まっている。受検校への道筋は決めてある。大雪で交通機関が遅れたときはどうするのか事前にシミュレートしている。

だから、当日の朝に判断することはない。だから、検査が始まる段階で、受検生の脳に判断量のストックが十分にある。だから、問題を解くことだけに集中できる。

 

親子で協力して、受検に集中できる状態を作り上げる3週間になることを願っています。

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