2022年度都立高校社会科入試

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執筆者

中野 昌典

飯田橋校校長・九段中等教育学校専門担当・最難関都立高校対策社会科教務主任

社会科に必要な力

今年度は、文部科学省が「生きる力」として思考力・判断力・表現力という言葉を出し、学習指導要領の改訂が行われて新課程の教科書を使った初めての学年でした。
ところで、中学校の社会の学習は受験勉強の範囲が一番広いと皆さんご存じでしょうか。
あぁそういえばとなったり、社会科の先生だから自分の担当科目のことをそう表現したりするのだろうと様々かとは思いますが、地理・歴史・公民の3分野の単元学習では、毎授業、各学年で新しい単元の学習を進め、学校の定期テストでは毎回新しい範囲の出題割合が多いことがほとんどでしょう。E-styleでは、季節講習時だけではなく、普段の授業でも復習回を設けて対応しています。
(今年度入試について少しご紹介)
さて、都立高校入試の社会科に関して今年度の問題をご紹介しますと、昨年と大きく問題構成は変わらないまでも、図や表を含めた問題文全体の文字数が大きく増加しました。他県の公立高校の入試問題にもそうした傾向が感じられます。昨年度の受験生との違いは新課程の教科書が使われているという1点しかありません。新課程の教科書の影響があったと推定していいでしょう。
都立高校入試の注目問題を、4月16日に開催いたします入試分析会にて解説をしております。E-styleのHP(eikoh-seminar.com)からぜひお申し込みください。ご参加をお待ちしております。
(社会科における思考・判断・表現力とは)
社会科は暗記科目という考え方は古い考えです。知識のみで考えさせたり答えさせたりする問題は徐々に減ってきていると感じます。しかし、教科書に載っている基礎的なことがらについてはきちんと覚えておく必要はあり、暗記がいらなくなったわけではありません。都立高校入試においても都立中適性検査においても、学習指導要領の範囲内で作問されていますので、教科書内容は必要最低限の知識です。
身につけた知識を使って問題文や図表から考え、その考えを比較し判断する。都立高校入試の社会では記述問題も出題されます。何を解答すべきか思考、判断し表現する力を身につける必要があるのです。
都立高校入試においては先にも触れた長い問題文や図表から答えにつながるポイントを見つけ出していくことが重要です。この点は同じ都立入試の理科においても通ずるポイントです。

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