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執筆者

林川 敬

吉祥寺校校長・武蔵高校附属中学校専門担当

「冬来たりなば春遠からじ」

 

「寒い冬を耐えれば、必ず暖かい春は来る」と自分に言い聞かせる言葉ですが、もし「夏来たりなば・・・」の後に続けるとしたら、受検生は何と詠むのでしょう。
「夏来たりなば寸暇を惜しみ学ぶべし」と意気込むのでしょうか、それとも「夏来たりなば秋遠からじ」と詠み、決戦を前に「夏ヨ早く過ギテクレ」と頭を抱えてしまうのでしょうか。いずれにしても、受検生にとっての「夏」は非常に重いものだと思います。

 

いよいよ学習塾では夏期講習が始まりますが、E-styleでも7月18日から夏期講習がスタートしております。少しでも多くの「糧」をつかみ取る夏にして欲しいと祈るばかりですが、
今回は「夏期講習の最大限活用法」の一部をご紹介いたします。

 

学年を問わずやって欲しいのが『復習』です。当然だと思う方も多いでしょうが、「アウトプットを重視する」復習の仕方を心掛けてみてはいかがでしょうか。
低学年のお子様なら、保護者の皆様が「今日は塾で何を習ったの?」とお子様に尋ねてみてください。慣れない頃は印象に残ったシーンや、場合によっては先生から聞いた「周辺知識の雑談」的な内容、つまり「印象記憶」とも言うべき内容しか語れないと思います。しかし、これを続けているうちに「今日は〇〇を習ったよ」と単元名で答えられるようになり、「こんな問題を解くときには、こう考えると良いらしいよ」などとポイントを整理して説明することができるようになり、最終的には「今日習ったのは〇個でね・・・」と、習ったことの数さえ言えるようになってきます。

これが「整理しながらアウトプットする復習」のやり方です。適性検査は「考える、表現する」力が求められる問題ですから、『整理する』それを『表現=アウトプットする』という流れで復習できれば、すべての教科に通用する土台が築けますし、何より習ったことが“頭の引き出し”に整理されて保管されますので、「使える=引き出せる」知識として定着するのです。適性検査の問題は、「習ったことの、何が使える問題なのか」が判断しづらい問題で、強引に自己流で解いてしまいがちだという落とし穴がありますから、「いつでも引き出せる」ものが頭に整理されていれば、適性検査を解くときの焦りや恐怖心は必ず軽減していきます。

受検生や高学年のお子様なら、授業のノートやテキストなども見ずに書き出してみると良いでしょう。口で説明するのも難しいですが、思い出してそれを整理し、さらに分かりやすくまとめるとなると一気にハードルは上がります。しかし、この方法が習慣的にできるようになれば、中学や高校に進学して知識を吸収する学習に切り替わったとしても、有効な復習の方法として活用できるはずです。

ぜひ試してみてください。夏の終わりには夏期講習で学習した内容が「自分だけの参考書」として手元に残ることでしょう。

私たち教師も“勝負の夏期講習”の準備に余念がありません。頑張りましょう。

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