模擬試験に臨むときの心構え
なぜ、模擬試験は存在するのか?
沖哲弥です。本日は、模擬試験の考え方についてご説明いたします。
そもそも、模擬試験はなぜ存在するのでしょうか。誰が始めたのかはさておき、どうして始めようと考えたのかを考えてみたいと思います。
学習塾の先生は、ふだんからテキストやプリントを通じて入学試験に向けた勉強を生徒にさせます。また、多くの学習をこなすよう要求します。それが志望校突破への材料になるからです。しかし、どれほど多くの学習をさせようと、どれほど志望校の過去問題で得点を取ろうと、それらすべて、既知の問題に対して対応ができているというだけです。多くのテキストやプリントは過去に出された問題をそのままかあるいは改変して、問題集にしています。しかし、次の冬に出される入試問題は未知の問題です。まだ見ぬ問題をどのように解くか、当日だけの一本勝負です。その一本勝負の前に、練習試合をさせてやりたいと考えた先生が、入試問題にそっくりな試験=模擬試験を作って、制限時間など入試と同じ形式でやらせたのが最初でしょう。
すべてをかける気持ちで臨む
こう考えてくると、受検生が模擬試験に臨む際、何に気を付けると良いのかが見えてきます。まず、これは本番だと強く思うこと。練習試合だからと軽い気持ちで臨んではいけません。
「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。」
徒然草第92段にある有名な一文です。保護者の方も高校の古文で学んだ記憶があるのではないでしょうか。続きは以下のとおりです。
「後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度、ただ、得矢なく、この一矢に定むべしと思へ。」
今回の話で言えば、初めの矢=模試には、次の模試を当てにして、いいかげんで、本気にならずに受ける気持ちがある。毎回、成功だの失敗だのを考えず、この1回にすべてをかける気持ちで臨め、という解釈になります。今日1回限りの勝負なのです! (続きは次々回に)
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